WORKストーリー

OG・OB Interview
卒業生インタビュー

就労移行支援事業所から大手企業へ。念願の経理事務職に!

●プロフィール

お名前:K様
年齢・性別:20代/男性
利用事業所:ハートスイッチ東岡山校
障害名:発達障害
就職先:ナカシマプロペラ株式会社
業務内容:経理事務補助

入社当初、困ったことはありましたか?

高校時代に簿記資格を取っていたので経理関係の仕事がしたいと考えていたものの、最初は正直なところ、わからないことだらけ。勇気を振り絞って質問してみても、「聞いてみてもよくわからない」という状況でした。

それはなぜかと考えたとき、そもそも自分でも何を教えてもらいたいのか分かっていないからだと気付きました。そこで、すぐに尋ねるのではなくワンクッション置いて、自分の聞きたいことを整理してから質問するようにしました

そうすると、先輩方も何を返したらいいか分かったうえで答えてくださるので解決することが増えました。

この会社に入社して、よかったと思うのはどんなところでしょう?

とにかく「人間関係がいい」!

本当にいい人ばかり、自分でもよい影響を与えていただけていると感じています。すごい方たちばかりなのに、皆さん、謙虚さと向上心を持たれていて、見習いたいと強く思います。

私も、会社の通信教育支援制度を使って、財務についての勉強をしたり、簿記の資格ももうひとつ上の「日商簿記2級」取得を目指そうと対策を始めたりしたところです。

これからもこの会社で働き続けるために必要なのは、どんなことだと思いますか?

何よりも「自己管理」だと思います。

たとえば健康面でいえば、少し調子が悪いかなと思うとき早めに受診するといったことです。もともとは、「宿題を先延ばしにするタイプ」でしたが、仕事を始めてから「それ(先延ばしにすること)は、やってはいけないこと」だと考えるようになりました。

健康面はもちろん、いろんな意味で「余裕」を持つことの重要性を痛感して、スケジュール帳も使うようになりましたよ。

時間管理の精度を上げて、正確性向上を目指したいと思います。

ハートスイッチでの経験は、現在の業務に生きていますか?

 

もともとの自分は、結構終わったことを悔やんでくよくよするタイプでした。

でも今は、「過去に起きたことは仕方ない。次を考えよう」と思えるようになりました。でもこれは、反省しないという意味ではありません。

失敗に対して、「次はどうしたらいいか」ということを考えられるようになっています。このことの基礎は、ハートスイッチに通うなかで培いました。何か失敗やミスをしたとき、「どうしてだろう」と考える練習ができました。また、小さなことに対しても「確認をさぼらない」という姿勢も、ハートスイッチに通ったから身についたことですね。考え続けることで、ミスを減らしていけると思っています。

これからもひとりの人間として、社会人として、そしてこの会社の一員として成長し続けていきたいと思います。

Company Interview
企業様インタビュー

就職先:ナカシマプロペラ株式会社
お名前:人事部係長 藤田誓子様

雇用に際しての受入態勢や準備されたことについて教えてください

当社は、岡山障害者雇用研究会(クリオ)の会員なので、岡山障害者職業センター主催のセミナーや勉強会に参加できます。

障害のある方の受け入れに際しては、当事者の方と直接関わる社員に対してセミナーの受講を推奨しています。強制しているわけではないのですが、当社の「学ぶことが好きな社員が多い」という特質が発揮されるのか、結構多くの社員が受講しています。

このセミナーで、障害のある方と一緒に働くための心構えなどを事前に知っておくことが一番の準備でしょうか。

Kさんの受入れに際しては、ハートスイッチで準備されたプロフィールシートを必要なメンバーで共有したり、発達障害に関する冊子を回覧したりすることで、「入りやすい環境整備」ができたと思います。

実際に採用されてから、どのような配慮をされていますか

Kさんには経理部への配属でお金に関する業務を担当してもらうということもあり、最初は比較的簡単な定型業務から慎重に始めていきました。

段階的に、少しずつ業務を渡していった感じです。本人の様子を見ながら、また本人と相談しながら徐々に難易度を上げていっています。

また、当社はフリーアドレスで自由な席に座って仕事をするシステムなのですが、発達障害のKさんにとってそれが負担になってはと考え、Kさんのネームプレートを用意しました。

当初はネームプレートの置かれた固定席に座っていましたが、今ではほかの社員と同じように自分がその日に仕事をしようと選んだ場所で業務を行っています。

ご本人の仕事ぶりと今後の課題について教えてください

Kさんの一番よいところは、ちょっとした改善点があるとき、自分でそのことを振り返り次に生かそうとしているところです。

そのような姿勢は確実に本人の成長につながっていますし、同じ部署の社員の「教えてあげたい」という気持ちにもつながっています。

課題としては、発達障害から「疲れやすい」という特性があると聞いているので、そのことも含めて仕事のスケジュール調整ができるようになるといいですね。疲れをためてしまって仕事に影響が出ないよう、コンスタントによいパフォーマンスを発揮してほしいと期待しています。

 

障害者を雇用されたことで、社内での変化はありましたか?

当社は海外との接点が多く、そういう意味では多様性を受け入れる土壌があると思います。

障害のある方に対しても実際に受け入れることで、社員ひとり一人が「自分ごと」にできるようになってきているのではないでしょうか。

Kさんとも一緒に働くなかで、「いてくれて助かる」という当たり前の気持ちが部署内に生まれていますし、そのような変化が次の方の受入れにつながっていくのだろうと感じています。

障害のある方が一緒に働いていける環境調整を図ることも、全体が「寛容な会社」になることに繋がっていますね。

こんな「働きづらさ」感じていませんか?
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